No.61

うつが治るまでの記録

うつは個人の世界における地獄であると思う。
程度の差はあれどこの病気は死と隣合わせのものであり、「そろそろ死んだ方が良いかも」と自分の身体が言葉ではなく感覚で訴えてくる。
ご飯を食べているときも、映画を見ているときも、布団にいるときも。
これを地獄と言わずして、なんと言うのだろう?

  • この記事は一個人の記録であり、「これをすれば絶対治る」と主張するものではない。
  • この記録は私の体験のありのままを綴っている。参考になった書籍も紹介しており、これは決して第三者から依頼された広告ではない。
  • 話の内容が内容なので、感情があふれ出してしまうのを防ぎ、なるべく客観的に記述できるよう箇条書き&「である調」で執筆している。
  • 病気が治るまでの経過についてここに書ききれない要素が膨大にあるが、ひとつの記事にするためかなり要点を絞ってまとめている。
  • ここで言う「治った」は、「寛解(症状が消失した状態が続いていること)」を指している。


「うつ」だという自覚
  • 2018年末、連日続いている強い希死念慮に違和感を覚え、心療内科を受診する。当時入社1年目であった。
  • 「うつ状態」の診断を受けると共に薬物療法を開始。
  • この時期に水島広子先生の気分変調症(持続性抑うつ障害)に関する書籍にたまたま出会う。
  • 記載してある病気の症状が大いに当てはまることに気づく。
  • 気分変調症の詳細な説明は割愛するが、簡単に言うと「長期的に憂鬱な状態が続いているうつ病の一種」である。
  • 水島先生の書籍を元に説明するならば、当時の私は高校生の時から長く続いている「慢性のうつ病(気分変調症)」と、仕事のストレスで発症した「急性のうつ病」の二つが掛け合わされた状態であった。
  • ただ、上記の状態を通院先の先生にうまく伝えられず、当時の診断名は「うつ状態」となっている。なので上記の状態が個人の所感でしかないと言われれば、そうなってしまう。
  • 叶うなら水島先生本人の治療を受けたかったが、場所も予約も金額も全てが困難であったのであきらめた。(それでも治った)


治療開始から寛解までの期間
  • 2018年末~2023年の初めくらい?だいたい4年と少し。
  • 個人的に気分変調症だったのでは?と感じている期間は約10年(高校生~20代後半)


当時の自分の状態
  • いつどこで何をしていても、「そろそろ死んだ方が良いかも」という感覚が常にあった。
  • 心から笑って過ごせる日は一生来ないと本気で思っていた。
  • 社会に対する不満や疑問を強く持っていながら、「本質的な自分を殺して奴隷のように働くのが結局かっこいい」とどこかで思っていた。
  • 繊細な自分の性格が悪いので、強気で傲慢になればすべてが解決するのだと思っていた。


病気発症に関して心当たりのあるバックグラウンド
  • 自分の生まれ持った繊細な性格
  • 幼少期の不適切な家庭環境(強烈なトラウマ)
  • 思春~青年期にかけての出来事(原発の不安、近親者の死)
  • 仕事のストレス


現在の私の状態
  • 楽しい時は笑い、ご飯を食べているときはご飯に集中し、映画を見ているときは映画に集中できるようになった。(当たり前のことだと思うかもしれないが、うつのときは本当にうまくできなかった)
  • 生きていてそれなりにつらい出来事もあるが、以前のように「理由は分からないけれどとにかく辛い」と感じることはない。
  • 相変わらず繊細であるが、そんな自分が好き。
  • かかっている病院もないし薬もまったく飲んでいないが、違和感を感じたら適切な機関を頼ろうと思っている。
  • なんやかんや大丈夫、なんとかなる、という感覚がベースにある。



治療に効果的だったこと
①薬物療法
通院開始と共に薬も飲み始めた。副作用が大変だったが治療の第一歩だった。

②読書療法
療法というか単純に本を読み漁っただけなのだが、結果的に治療のひとつになっていたと思う。
治療開始から寛解に至るまで、少しずついろいろな本を読んだ。

読んだ本を大きく3つに分類すると
①自分の病気に関する本
②病気に直接関係なくても、今困っていることを解決してくれそうな本(イライラする感情との向き合い方とか)
③病気とは全然関係ないけど個人的になんとなく興味がある本

(個人的に③は意外と重要で、ふらっと手に取ってみた本がかなり私の人生を勇気づけてくれたりしたことがある。)
  • 読んで終わることが大半だったが、なるほどと感じた内容はできる範囲で実践してみたりもした。うまくいかないことが多かったが、うまくいったこともあった。
  • とりあえずレビューがそこそこ良い本を手に取ることが多かった。
  • 評判が良い本が必ず自分にとって良い本であったかというと、そうではなかった。(もちろんちゃんと参考になった本もある)
  • 違和感を感じる内容の本はあっさり読むのをやめたりもした。お金はもったいないけれどどうしても合う・合わないがあった。
  • 読書療法はさまざまな治療法の中で、個人的に一番大きい効果をもたらしてくれたと思う。


③プロテイン
「すべての不調は自分で治せる」藤川 徳美 (著)( https://amzn.asia/d/gjtCB3r
  • 通院を始めてから1年半ほど経ち、症状は良くはなっているものの中々薬が減らず停滞が続いていた時に上記の書籍に出会う。
  • プロテインやサプリメントでうつが良くなったというレビューを見て書籍を購入し、半信半疑で実践したが、私には効果があった。
  • プロテインを飲んだ瞬間に効くわけではないが、飲み始めて数週間後、「あれ?なんか症状が落ち着いている」と思い始め、徐々に薬が減っていった。
  • 書籍に記載してある鉄やビタミンのサプリメント類も一時期飲んでいた
  • ※飲み方や注意事項があるため、興味を持たれた方は必ず書籍の一読を。


④書籍「喜びから人生を生きる!」との出会い
「喜びから人生を生きる!」アニータ・ムアジャーニ (著), 奥野 節子 (翻訳)
https://amzn.asia/d/f1buMul

  • 読書療法の中に含まれるが、個人的に非常に影響を受けた本(詳しい本の概要はリンク先参照)。
  • 臨死体験をした女性の話。(怖い話ではない。愛の話である)
  • ほぼ寛解状態のときに出会った。
  • この本で、自分はこの世界に生きていていいんだと気づくことができた。スピリチュアルに分類される本だと知るとうんざりする人がいるかもしれない。
  • しかし、なにか悩んだり迷ったりしたときにまず読み返すのはこの本だ。私の人生においてあまりにも大切な本である。


さいごに
人との接し方、物事の捉え方、自分を愛することの重要さなど、私は病気を経て学んだことがあまりにも多かった。
病気は私の敵ではなく味方だったのだ。
自分の個人的な、しかもうつの記録をインターネットで公開するということは正直怖い。
しかし、私の綴った記録が誰かひとりにでも役に立つものであればと願う。

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